閉形式(closed-form)とは


このエントリーをはてなブックマークに追加

前に文献を読んでいて出会った、調べてもいまいち意味の分からなかった「閉形式」。言語処理のための機械学習入門 (自然言語処理シリーズ) を読み直すと、1.2節にあっさり書いてあった。以下、引用。

  • 「加減乗除や初等関数の合成関数による解の表し方を、閉形式(closed-form)という。」
  • 微分形式でいう閉形式とは異なる。」
  • 「ただし、初等関数としてどれだけの関数を含めるかは、明確に定められていないので、閉形式の定義は曖昧である。しかし、この曖昧さは実用上はほとんど問題にならない。」


これで終わりにしてもよいが、ついでに英語版のWikipediaも見ておく。(Closed-form expression - Wikipedia, the free encyclopedia)。Wikipediaによると、閉形式とは「有限個の、『よく知られた(well-known)』関数によって解析的に表される式」と書いてある。よく知られた関数とは初等関数、すなわち

で定義される、と書いてある。


例を見ると分かりやすい。

  • 二次方程式ax^2+bx+c=0の解x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}は閉形式。
  • \sum^\infty_{i=0}\frac{x}{2^i}は、項が有限個ではないので閉形式ではない。
  • しかし、この式の級数部分を計算した式2xは閉形式。


しかしWikipedia日本語版の数学用語の貧弱さは泣けてくる。