備忘録として、ベクトルで微分することの定義をまとめる。ここでは、分かりやすいようにベクトルはすべて3次元とする。
例
よくあるのが をで微分するというもの。ここで、は3x3の正方行列で、全体はスカラー値。これを上の定義に基いて計算してみよう。
まず の値を計算すると、
となる。
ここで、さっきの定義に従って をを偏微分してみると
と計算できる。もしAが対称行列なら、さらに
と簡単にできる。この結果だけ見ると、高校数学の微分でをで微分するととなるのと似てますね。
他の考え方
サイボウズ・ラボ光成さんのPRML の2 章のための数学によると、の定義はを縦に並べた縦ベクトルとのこと。この定義で覚えたほうがイメージがつかみやすいかも。
参考
- PRML の2 章のための数学
- Vector and Matrix Differentiation
- 「高村大也. 言語処理のための機械学習入門. 付録A.1.1」
- ベクトルと行列 ベクトルと行列の演算例